大統領の陰謀
優れた映画では脇役のクルマも輝いて見えます。「ボルボ・オン・ザ・スクリーン」はそんな「映画の中のボルボ」をご紹介。第6回は76年に大きな話題を呼んだアメリカ映画「All the President's Men」です。
大統領の陰謀
1976/アメリカ
原題:All the President's Men
監督:アラン・J・パクラ
出演:ダスティン・ホフマン、ロバート・レッドフォード
Time:2h.19
ストーリー
1972年6月17日深夜、ワシントンのウォーターゲート・オフィス・ビルの民主党本部に、5人の男が不法侵入。彼らは大統領選挙を前に民主党キャンペー ンを攪乱するため「何者か」に雇われた者たちだった。…ニクソン大統領を失脚させたウォーターゲート事件の真相を追う、2人のワシントン・ポスト記者をド キュメンタリータッチで描きます。
解説
原題はウォーターゲート事件に関係した人間が“All the President's Men”、つまり「ニクソン大統領によって指示を受けた男たち」だったという驚くべき真相、そして二人の記者自身の驚きを意味します。実在の新聞記者を当 時人気絶頂の俳優ダスティン・ホフマンとロバート・レッドフォードが等身大に演じました。
ホフマンは「卒業」(1967)で一躍スターになった後も、「真夜中のカーボーイ」(69) や「パピヨン」(73) で汚れ役を熱演。「クレイマー、クレイマー」(79) 、「トッツィー」(82) 、「レインマン」(88) など、多彩な役柄の演技派です。対するレッドフォードは「明日に向かって撃て!」(69) 、「スティング」(73) などを代表作とする二枚目俳優。現在は監督業でも高い評価を得ています。
監督は「アラバマ物語」(1962) や「ソフィーの選択」(1982) など、ヒューマニズムあふれる作風のアラン・J・パクラ。当作品では驚くほど地味な演出に徹しています。それもこれも、旬の俳優二人の「華」を計算に入れてのことでしょう。残念ながらパクラは98年に自動車事故で亡くなっています。
登場するのはボルボ120シリーズ"アマゾン"
レッドフォード演ずるボブ・ウッドワードのクルマが、1956年に登場したボルボ120、“アマゾン”です。アマゾンとはギリシア神話に登場する女性戦士のこと。この名前はすでにドイツのオートバイメーカー「クライドラー」が商標登録していたため、スウェーデン本国以外では正式に使用されませんでし たが、実際にはアマゾンの名で親しまれました。
優美なスタイルの120は高価でしたが大ヒット車となり、14年にわたるロングセラーとなりました。この期間にボルボの総売り上げが10倍になったほどです。シートベルトを本格的に標準装備した世界初のクルマでもあり、今でも愛好家の間で人気があります。
エステート(ステーションワゴン)や2ドアクーペも追加されましたが、劇中に登場するのは4ドアセダン。古ぼけたボディカラーはスレートグレーに見えます。 北米では、当時からボルボはリベラルな人が好んで乗るイメージが強く、そういった意味でこのアマゾンはまさに「はまり役」。フルサイズのアメリカ車の間を縫いながら、小さなアマゾンがワシントンD.C.の街を行く様子が作品全体を象徴しています。
登場時間:1時間04分経過など数回
「今から12年ほど前、とてもコンディションの良いセダンを購入して、しばらくみんなで乗っていたことがあります。もちろん、マニュアル 車でしたが、クラシカルなスタイルにも関わらず、意外にスポーティに走るというのが印象的でした。VWビートルなどと同じで、60年代のアメリカ文化の雰囲気を伝えるクルマで、エステートもセダンもサーフィンをされる若い方に昔から人気がありました。ただし、新車で販売されていた当時はたいへん高価だった はずです。『子供の頃、親父がアマゾンに乗っていて…』という理由で、ボルボ車にお乗りいただいているお客様もいらっしゃいますね」
(ボルボ・カーズ岡崎店長 神谷)
VOLVO 120シリーズ(1956~70年)
●全長4450mm×全幅1620mm×全高1505mm●4/5人乗り●直列4気筒OHV・1780cc(90ps)●駆動方式:後輪駆動
※画像、スペックは63年頃の1.8リッター(B18D)モデル。
text by Kei Niwa, DAYS
produced by CREATE


ボルボ・カーズ千種(名古屋市千種区)・岡崎(愛知県岡崎市)・知多刈谷(愛知県知多市・刈谷市)は株式会社クリエイトが運営するボルボ正規ディーラーです。